友人のストーカー被害

友人のストーカー被害です。友人男性がストーカーになり、友人女性がストーカーを受けたときの状況と解決までをまとめました。
「ストーカーではこういったケースもある」という参考のひとつにお読み頂ければと思います。

元恋人のストーカー化への対応・解決法は状況でかなり変わると思います。
あくまで1つのケースとしてお読みください。

喧嘩で別れる

喧嘩で別れる

ストーカーとなったのは男性、された側は女性。
どちらも私の友人です。
年齢も近く、グループで仲良くしていました。

交際中、二人は喧嘩。
友人男性(ここからAとします)が、友人女性(ここからBとします)へ別れ話。
Bはその後、Aに5回ほど電話をかけたが、一切話をせず切られたとのこと。

Bはこれでフラれたと思い、私に連絡。
女友達で「残念会」という食事会をしました。
Bはその後、携帯を番号ごと変更したそうです。

翌月、Aから私に電話がありました。「Bに電話が通じない、何かあったのでは?」と。
「Bとは別れたんだよね?」と聞いたところ、Aは「喧嘩はしているが別れたつもりはない」
私が「Bからは別れたと聞いている」と答えたところ、「機嫌をなおせと伝えてほしい」とのこと。

Bに確認したところ、「Aからの別れ話だし、二度と付き合うつもりはない」という返事でした。
Aにそれを伝えたところ、「残念だ」と落ち込んだ様子。
でも、間を取り持ってとは言われなかったので、私はこれで終わったのだろうと思っていました。

Bからのストーカーに関する相談

ストーカーに関する相談

しばらくし、Bから「Aに私の新しい携帯番号を教えた?」と尋ねられました。

私は教えていないと答えたところ、「Aが誰かから電話番号を聞いたらしく、朝晩電話がおかしいほど電話が来る。別れたと言っても、以前のように親しく喋ってきたり、泣き落としできたりする。かけてくるなと言ってもくる。家に勝手に来ることもあり、話が通じなくて怖い」と相談されました。

他の人や警察に相談出来るように、いつ電話がかかってきたのか、押しかけてきたのかなどをできるかぎり記録すること、その上で録音をすすめました。

つきまとい、押しかけ、多量のメールと電話など、内容が完全にストーカーでした。

Aに「自分がストーカーをしていることがわかっているのか?」と電話で尋ねたら、「そんな訳ないだろう!Bはすねてるだけだ!」と怒鳴られました。

Aは明るく真面目で仕事ができ、人望もある、ごく普通の男性です。
それまでに感情的になって、人に迷惑をかけたところを見たことはありません。
友人達もそうだったと思います。

Bが友人達に相談する中で、医療関係者のC(男性)が、Aとの話し合いを希望しました。
Aに「喧嘩から今までを俺達に話してみろ。場合によっては取りもってやる」と伝えたところ、すぐ応じたそうです。

Cは「できれば、Aにストーカーを自覚させたい」として、そのための話し合いをすることになりました。

ストーカーを自覚させるための話し合い

Cは「話し合いは後でBに正確に伝えたいから録音するぞ」とAにことわり、話し合いがはじまりました。

最初に、CはAに今までしたことを紙に書いてほしいと言いました。
「わざわざ書くのか?」と不思議がっていたAですが、Bを説得する為だと言うと書いてくれました。
本人が忘れていることは「車で迎えに行ったこととかない?」と尋ねて追加しました。

 

Aのこれまでしたと主張していること

  • 別れ話、でもかっとなっただけで本気ではない
  • Bが反省するまでと思って連絡を拒否した
  • 朝晩1.2回くらいに電話をしている、恋人だから当然
  • 連絡がとれず、安否が心配だったので、彼女の職場に2回くらい電話した
  • 彼女のアパートに会いに行くが、喧嘩からすねていて、入れてもらえなかった
  • 謝ってもドアを開けてもらえなかったので、つい怒ってドアを軽く蹴ってしまった
  • 会社帰りならそのまま夕食に行けると思って車で迎えに行ったが、拒否された
  • いずれ結婚もするつもりだったので、結婚式場のパンフレットや結婚関係の雑誌をプレゼントした
  • 電話で1.2度暴言をはいたかもしれない、酔っていたのであまり覚えていない

 

一部の内容が、実際とは全く異なりました。

メモとそれまでBの書いていた経緯を照らし合わせて、下記を確認しつつ話しました。

  • 朝晩1.2回、Bに電話をしている
    実際の通話記録で朝2.3回、夜5.6回。合計すると150回を超えている
  • 連絡がとれず、安否が心配だったので、彼女の職場に2回くらい電話した
    携帯を着信拒否にしたところ、職場に10回以上の電話があった。彼女にも会社にもとても迷惑になっている。
  • 彼女のアパートに会いに行くが、喧嘩からすねていて、入れてもらえなかった
    「別れたし、復縁はしない。帰って」と10回以上明確に拒絶されている。
  • 謝ってもドアを開けてもらえなかったので、つい怒ってドアを軽く蹴ってしまった
    本気で蹴っている。アパートのドアは大きくへこんだため、大家さんに弁償が必要になっている
  • 会社帰りならそのまま夕食に行けると思って車で迎えに行ったが、拒否された
    Bは車に無理矢理連れこまれそうになったため、とても怖がっている
  • いずれ結婚もするつもりだったので、結婚式場のパンフレットや結婚関係の雑誌をプレゼントした
    Bは結婚の話にOKしていない。すでに別れた男性と結婚は考えない。
  • 電話で1.2度暴言をはいたかもしれない、酔っていたのであまり覚えていない
    数十回の暴言が録音済。脅迫的な言動で怒鳴る男と付き合いたいとは思わない。

 

ここまで説明してもAは納得せず、自分がストーカーとは認めませんでした。
A「他から見るとストーカーかもしれないが俺は違う。今までのことは反省するから、とりもってくれ」
C「お前がBにしたことは犯罪だ。もう自分をコントロールできていないとは思えないか?」
こういった会話がしばらく続いていました。

堂々巡りの会話の途中、Aにふと「妹さんが同じ目にあったら、ヨリを戻せって言う?」と聞いてしまいました。

その後、Cが淡々と話しました。
「お前の妹が彼から別れ話をされた。やりなおそうと何度も電話したが切られた。大泣きしてようやくあきらめてけっこうな時間がすぎた。なのに、身勝手な男からは、別れはなかったことにされ、付き合っていると言われ、断っても電話が山のように来るし、夜中にまで押しかけてくる。車に連れこまれそうになったこともあって、ものすごく怖い。その上、一方的に相手の男は結婚の話をして、断っても式場のパンフレットを持ってくる。顔もみたくないし、気持ち悪いし、復縁は絶対に考えない。そう悩んでいる妹に『あの男はお前のことがすごく好きなようだから、怖いのは我慢してヨリを戻せ、結婚してやれ』と言うのか?」

後で聞いたら、Aはここで「もしかして、俺がおかしいのか?」と少し思えたそうです。
(数年後、これを聞いたCが「少しかよ!」と、Aの背中をビシビシ叩いていました……)

ストーカーで警察か親に説明するか

完全には納得していなかったAですが、「Bに警察へ被害届を出してもらうか、今すぐ自宅で親に説明するか選べ」とのCの言葉で、そのままAの実家へ。

Cが親御さんにこれまでのストーカーの経緯を証拠付きで説明。
親御さんから謝罪を受け、今後Bに連絡しない、近付かないという約束をしたそうです。

このとき決めたのは次の内容でした。

  • Bに今後連絡しない接触しないと紙に書く、コピーして自分の部屋にも貼っておく
  • BのアパートのドアはC経由で弁償する
  • Bの電話番号とメールアドレスを今すぐ消去する
  • 落ち着くまで酒を飲まない
  • どうしてもあきらめられないと思ったら、カウンセリングを受ける
  • 次に連絡やつきまといがあった場合は、Bが警察へストーカーの被害届を出す

Cが言うには「軽いうちで自分でストーカーだと自覚できればやめる、自覚できないときは親とか仕事を抑止にする、それでもダメなら警察と弁護士だと思っていた」とのこと。
医療関係者のCから見て、「Aはとりあえず軽い方」とのことでした。

Aがストーカーをやめるために行ったこと

ストーカーをやめるために行ったこと

家族からかなり叱られたAは、ストーカーをやめるというよりも、Bに連絡をとらないようにするために、次のことを行ったそうです。

  • 実家に引っ越す
  • Bの連絡先、思い出の品を全部捨てる
  • 仕事を増やし、休みは運動と映画で埋める、空き時間をつくらない
  • Bと共通の友人との付き合いを減らす(Bを思い出すのと、Bの現状を聞かないようにする為)
  • 医者に行った
    (鬱かもしれないと考え医者に行き、カウンセリングをすすめられて受けたそうです。しばらく受け続けたとのことでした)

逆に、ストーカーをやめる障害になったことは「母が復縁をすすめてきたこと」
「Bさんはいい子で娘のように思っていた。何度も謝ったらわかってくれるのではないかしら」などと言われたとき、どうしても連絡したい思いにかられてしまったとのこと。

一番のやめる後押しになったのは、妹さんと他の友達でした。
「じつは俺がおかしくないんじゃないかと思って、妹に経緯を説明してものすごく怒られた上に嫌われたし、友達には絶交されたり説教された」そうです。

その後、Bへの連絡などは一切していないそうです。

 

時間がたち、今はAもBもそれぞれの生活を送っています。
Aは「どうしてあんなことをし続けたのかわからない、二度としない」と、そのときが別人だったような感じです。
Bは「とにかく怖かった。それと友人に解決してもらう形になって申し訳ない気持ちがあった」と言います。

Cより
「このときは、話し合いとご家族の協力で無事終わりましたが、友人間で解決できるとはかぎりません。
同性からの注意だと『お前が恋敵か、浮気相手か』と思い込まれれたりして、逆にこじれることもあるので注意してください。
ご家族はストーカー行為がわかってもかばうことが多いです。
家族や友達、仕事場などで信頼できる人に相談すること、少しでも危険なことがあったら警察に行くことをおすすめします」

 

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